タワーマンションへのドッグラン導入は、物件価値や住民満足度の向上を目指す共用施設整備の一つです。検討にあたっては、設置場所の条件・導入費用・安全対策・導入後の管理方法を整理することが大切です。
「物件の魅力を高めるために、ドッグランをつくれないか」
オーナーや物件を保有する企業・ファンドからこのような相談を受け、設置方法や施工会社を調べている管理会社のご担当者さまもいらっしゃるでしょう。
予算の目安はあるものの、設置場所や設備、運用方法はこれから検討する。そのような構想段階から、ドッグランホームズにご相談いただけます。
この記事では、タワーマンションにドッグランを導入する理由、事前の確認事項、費用、安全対策、管理方法を、東京都のタワーマンションで進めている導入相談事例とともに紹介します。
1.タワーマンションにドッグランを導入する理由

物件の付加価値を高め、募集・売却時の魅力を増やす
オーナーがインフレを意識し、賃料や売却価格の見直しを考える場面では、価格に見合う物件の魅力をどう充実させるかが課題になります。
住民向けドッグランは、「愛犬とどのように暮らせるか」を具体的に伝えられる施設です。敷地内に犬を遊ばせられる場所があれば、募集広告や物件紹介、内覧時にも、入居後の暮らしをイメージしてもらいやすくなります。
「住民専用のドッグランがあるタワーマンション」という特徴は、ペットと暮らす入居検討者への訴求材料になります。立地や間取り、内装に加え、共用施設の面から競合物件との差別化を図る選択肢です。
ペットと快適に暮らせる住環境へのニーズに応える
ペット対応の住環境を考えるうえでは、住まい探しに関する調査も参考になります。
LIFULL HOME’Sが2025年4月に不動産事業者131人を対象に行った調査では、ここ2〜3年でペット可物件のニーズが「増えている」と回答した割合は67.2%でした。LIFULL HOME’S「ペットとの住まい探しの実態調査」
また、パナソニック ホームズが2024年12月に首都圏の賃貸住宅に住む犬・猫の飼育者・飼育意向者を対象に行った調査では、ペット共生型賃貸とペット可賃貸の違いを理解した後、飼育者の62.8%がペット共生型賃貸に住みたいと回答しています。パナソニック ホームズ「賃貸住宅におけるペット飼育に関する意識調査」
これらの調査からは、ペットと暮らすための設備や環境が、住まい選びの判断材料になることがうかがえます。対象物件の犬の飼育状況や住民の要望も確認し、ドッグランがどのような価値を提供できるかを検討します。
住民満足度を高め、既存スペースを有効活用する
敷地内のドッグランは、遠方の施設へ移動せず、日常の中で愛犬と遊ぶ時間を持てる場所になります。利用を通じて、住民同士が顔を合わせる機会も生まれます。
既存スペースに新しい用途を持たせる際には、利用する住民の利便性と、周囲への配慮を合わせて考えることが大切です。
オーナーへの提案では、「誰が利用し、暮らしがどのように充実するのか」を具体的に示すと、導入目的を共有しやすくなります。
2.タワーマンションにドッグランをつくる前に確認したいこと

ドッグランを設置できるかは、候補場所の広さや形状、建物の条件、住民の動線などを確認して判断します。
| 確認項目 | 主な確認内容 |
|---|---|
| 設置候補場所 | 広さ、形状、現在の用途、周辺の住戸・施設との位置関係 |
| 床・建物の条件 | 既存の床、防水、排水、荷重などの条件 |
| 利用者の動線 | 住戸からの移動経路、出入口、ほかの住民の通行 |
| 既存設備 | フェンス、植栽、照明などの状態と活用可能性 |
| 工事の条件 | 搬入経路、作業時間、駐車場や共用施設の利用への影響 |
| 承認・調整 | オーナーの意向、管理規約、必要な承認手続き |
屋上や立体駐車場の上部を候補とする場合は、防水・排水・荷重に加え、風の影響や安全な出入りについても確認します。建物に関する専門的な判断が必要な事項は、建物側の担当者や専門家と条件を整理します。
相談前に、管理会社のご担当者さまがすべてを判断する必要はありません。分かっている情報と、現地調査で確認する事項を整理することから、検討を始められます。
3.既存の設備を活かしたドッグランの計画と施工

既存マンションのドッグラン整備では、撤去・改修が必要な部分と、そのまま活用できる部分を見極めることが、施工内容や費用の検討につながります。
コンクリートの床と植栽が混在している場所であれば、植栽をどこまで残すか、どの部分を改修するかを検討します。既存フェンスがある場合も、状態や形状を確認し、必要な対策と組み合わせて活用できるかを考えます。
人工芝は、下地や排水条件、犬の利用、日常の管理方法に合わせて選定します。遊具を設ける場合は、出入口や犬が走るスペースとの関係を踏まえ、犬と飼い主が動きやすい配置を検討します。
建物の景観との調和も含め、予算と現地条件に合う空間を全体として計画することが大切です。
4.事故やトラブルを防ぐための安全対策と管理方法

ドッグランの安全対策は、フェンスや出入口などの設備と、利用ルール・管理体制を合わせて検討します。
囲いと出入口による脱走防止
既存フェンスを活用する場合は、隙間や周辺設備との位置関係を確認します。出入りの際に犬が外へ飛び出す可能性も踏まえ、出入口の構造や開閉方法を検討します。
遊具やベンチを配置する場合も、囲いや出入口との関係を確認し、安全対策と整合する計画にします。屋外では、設置場所に応じて風や暑さへの対応も考えます。
利用条件の明確化と、周囲の住民への配慮
住民向け施設として運用するには、利用時間、同時に利用できる頭数、犬の大きさに応じた利用方法、飼い主の付き添いなどを整理します。
ペットを飼っていない住民の生活にも配慮し、移動経路や吠え声、利用者のマナーに関する対応方針も検討します。
管理方法を施工前に決めておく
管理会社にとっては、利用開始後に発生する業務と、その役割分担も重要です。
日常の施設確認、利用者への案内、不具合の連絡、苦情やトラブルへの対応などを洗い出し、誰が担当するかを導入前に整理します。利用を一時停止する場合の判断方法も、事前に決めておくと運用しやすくなります。
ドッグランホームズでは、施工内容に加えて、利用ルールや管理方法の検討もサポートします。 管理会社のご担当者さまと、物件の運用体制に合った方法を一緒に考えます。
5.東京都のタワーマンションで進めているドッグラン導入相談事例

ドッグランホームズでは現在、東京都のタワーマンションにおいて、管理会社さまと住民向けドッグランの導入を検討しています。
工事着工前の相談事例で、約500万円・1,000万円・1,500万円のプランを比較し、現在は約1,000万円のプランを軸に調整している段階です。
| 項目 | 検討している内容 |
|---|---|
| 設置候補場所 | 地上3〜4階相当の高さにある立体駐車場の屋上 |
| 既存の状態 | コンクリート部分と、樹木や花が植えられた植栽部分 |
| 改修方針 | 一部を撤去し、活用できる部分は残す |
| 床面の整備 | 対象スペース全体への人工芝の敷設 |
| 設備 | 既存フェンスの活用と遊具の配置 |
| 安全対策 | 犬の脱走を防ぐための囲い・出入口などの対策 |
管理会社のご担当者さまと、予算や既存設備の状態を踏まえ、どこを改修し、何を活用するかを相談しながら計画を具体化しています。
この事例の金額は、対象物件の条件に基づく検討額です。ドッグランの一般的な施工相場や、標準プランの価格を示すものではありません。
6.ドッグランの導入費用と、相談・現地調査から施工までの流れ

導入費用は、面積と必要な工事範囲によって変わる
マンションのドッグラン設置費用は、面積、既存設備、撤去・下地工事、フェンスや出入口、遊具、搬入条件などによって変わります。
予算枠が先に決まっている場合は、必要な安全対策を踏まえ、整備範囲や設備内容を比較します。見積もりでは、各案に含まれる工事と設備を確認することが大切です。
また、導入判断に向けては、施工費に加え、利用開始後の維持管理にかかる作業や費用も整理します。
オーナーへの説明に向けて整理したい項目
管理会社のご担当者さまが、オーナーや社内で検討を進める際には、次の項目が判断材料になります。
- 導入目的と、想定する利用者
- 設置場所と、必要な工事
- 工事費と、維持管理の考え方
- 工期と、住民への影響
- 導入前に判断・調整が必要な事項
ご相談から施工までの流れ
- 導入目的・ご予算・候補場所の確認
オーナーのご要望、予算の目安、候補スペース、希望時期などを伺います。 - 現地調査と条件の整理
既存設備、床や排水の状態、出入口、搬入経路などを確認し、追加で確認・調整すべき事項を整理します。 - 施工内容・費用・管理方法の検討
現地条件と予算に合わせて、工事範囲や設備内容を検討します。利用ルールや管理方法についても相談を進めます。 - オーナー・社内での検討と必要な調整
費用、工期、運用上の課題などを確認し、承認や建物関係者との調整を進めます。 - 施工と利用開始に向けた準備
工事中の動線や住民への案内などを調整し、施工と利用開始の準備を進めます。
7.タワーマンションの管理会社向け|ドッグラン導入前のQ&A

Q1.オーナーから「ドッグランを検討してほしい」と言われた段階でも相談できますか?
はい。設置場所や設備の仕様が決まっていない段階からご相談いただけます。
オーナーのご要望、候補スペース、ご予算の目安などを伺い、確認事項を整理します。ドッグランの専門知識をお持ちでなくても、相談しながら計画を具体化できます。
Q2.オーナーへの提案には、どのような情報を整理すればよいですか?
導入目的、想定する利用者、設置場所、必要な工事、費用、工期、管理方法を整理すると、判断材料を共有しやすくなります。
物件価値の向上が目的であれば、「どのような入居者にとって魅力になるか」「募集や内覧で何を伝えられるか」も大切です。
Q3.予算が先に決まっている場合、その範囲で計画を検討できますか?
はい。予算の目安を伺い、必要な安全対策を踏まえながら、整備範囲や設備内容を検討します。
東京都のタワーマンションの相談事例では、約500万円・1,000万円・1,500万円の案を比較し、現在は約1,000万円の案を軸に調整しています。工事着工前の検討事例で、金額はその物件の条件に基づくものです。
Q4.ドッグランを導入すれば、賃料や売却価格を上げられますか?
ドッグランは、物件の付加価値を高め、募集や売却時の訴求材料を増やすための施策です。
価格への影響は、立地や市場環境、入居者層などによって異なります。対象物件での利用ニーズと、「ドッグランのある暮らし」が提供できる魅力を整理して検討します。
Q5.立体駐車場の屋上にもドッグランをつくれますか?
設置できるかは、建物と現地の条件を確認して判断します。
床や防水、排水、荷重、風の影響、出入りや搬入の経路などが確認事項です。建物に関する専門的な判断が必要な場合は、建物側の担当者や専門家と条件を整理します。
Q6.既存のフェンスや植栽を活かして、工事範囲を調整できますか?
現地の状態を確認し、活用できる部分と改修が必要な部分を整理して検討します。
植栽の一部を残したり、既存フェンスを活用したりする計画が考えられます。フェンスは犬の脱走防止という観点でも確認し、必要な追加対策を含めて判断します。
Q7.住民が生活している状態で工事できますか? 工期はどのくらいですか?
工事中の建物利用への影響と工期は、施工内容や搬入条件などを確認して検討します。
資材の搬入経路、作業時間、工事区画、住民や車の動線を整理し、管理会社さまと調整します。駐車場や共用施設の利用制限が必要になるかも、事前の確認事項です。
Q8.ドッグランができると、管理会社の業務はどの程度増えますか?
管理業務は、利用登録や予約の有無、日常確認の方法など、運用方式によって変わります。
利用者への案内、設備の確認、不具合や苦情への対応などを洗い出し、管理会社・利用者・清掃などの担当者の役割を整理します。現在の管理体制で継続できる方法を考えることが重要です。
Q9.施工費以外に、どのような費用を考えておく必要がありますか?
日常の清掃や点検、消耗品、設備の補修、将来の人工芝などの交換にかかる費用を検討します。
必要な作業や費用は、施設の規模、設備内容、利用頻度、管理方法によって変わります。初期の施工費と、利用開始後の維持管理費を分けて整理すると、オーナーへの説明を進めやすくなります。
Q10.犬の脱走や、犬同士のトラブルにはどのように備えますか?
囲いや出入口の設備対策と、利用ルールの両面から検討します。
フェンスの隙間や出入口の構造を確認するとともに、同時に利用できる頭数、犬の大きさに応じた利用方法、飼い主の付き添いなどを整理します。トラブル時の連絡先や対応手順も、利用開始前に決めておきます。
Q11.ペットを飼っていない住民からの苦情が心配です。
設置場所と運用方法の両方で、周囲の住民への影響を検討することが大切です。
住戸との位置関係、犬の移動経路、利用時間、吠え声や臭いへの対応などを確認します。利用者が守るマナーや管理側への連絡方法も明確にし、施設を利用しない住民にも配慮した計画を考えます。
Q12.利用ルールや管理方法も、ドッグランホームズに相談できますか?
はい。ドッグランホームズでは、施工に加えて、利用ルールや管理方法の検討もサポートします。
利用対象、利用時間、頭数、飼い主の付き添い、不具合やトラブル時の連絡方法などを、管理会社のご担当者さまと整理します。物件ごとの管理体制に合わせ、導入前から運用方法を考えます。
Q13.現地調査を相談する際は、何を用意すればよいですか?
候補場所の写真や図面、予算の目安、オーナーのご要望、希望時期などを、分かる範囲でお知らせください。
候補スペースの現在の用途や、残したい設備、工事時間の制約なども参考になります。資料がそろっていない段階でも、まずは現在の状況をご相談いただけます。
8.タワーマンションのドッグラン導入・現地調査をご相談ください

「オーナーから導入を検討するよう依頼された」
「候補スペースに設置できるか、現地を見てほしい」
「予算に応じた施工内容と、管理方法を相談したい」
ドッグランホームズでは、このような検討の初期段階からご相談を承ります。
設置候補場所やご予算、導入の目的を伺い、現地の条件を確認しながら、施工内容と導入後の管理方法を一緒に検討します。
物件価値と住民満足度の向上を目指し、建物の条件と運用体制に合ったドッグランを計画するために。まずは、担当されているタワーマンションの状況や、オーナーさまからのご要望をお聞かせください。
タワーマンションへのドッグラン導入・現地調査について、ドッグランホームズへご相談ください。