目次
自宅の庭に愛犬のお墓を作ることについて
大切な愛犬が虹の橋を渡った後、「いつでも近くで見守っていたい」という思いから、自宅の庭にお墓を作ることを考える方は多くいらっしゃいます。愛犬が毎日遊んでいたお庭に眠れることは、犬にとっても、飼い主にとっても自然な形のお別れといえるでしょう。
しかし、自宅の庭にペットを埋葬することには法律・衛生・将来的なリスクなど、事前に知っておくべきことがあります。この記事では、愛犬のお墓を庭に作る際に必要なすべての情報を、専門家の監修のもと正確にお届けします。
法律・条例上の問題点
まず最初に、自宅の庭にペットを埋葬することが法律上問題ないか確認しましょう。
墓地埋葬法はペットに適用されない
人間のお墓を規制する「墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)」は、動物には適用されません。したがって、自己所有の私有地(自宅の庭)に愛犬を埋葬することは、現行法上は禁止されていません。
廃棄物処理法には注意が必要
ペットの遺体は廃棄物処理法上「一般廃棄物」に分類される場合がありますが、自己所有地への埋葬は自家処理として認められているケースがほとんどです。ただし、自治体によって解釈が異なる場合があるため、埋葬前に自治体の環境担当窓口に確認することを強くおすすめします。
賃貸・共同所有地はNG
- 賃貸物件:庭は貸主の所有物であるため、埋葬は認められない。必ず貸主の許可を得ること
- マンションの共用部分:管理規約上、専有部分以外への埋葬は認められないケースがほとんど
- 共有名義の土地:共有者全員の同意が必要
地域の条例の確認
自治体によってはペットの自宅埋葬に関する独自の条例を設けている場合があります。特に土壌汚染防止の観点から、埋葬深度や処理方法に規定が設けられているケースもあります。事前に市区町村の環境課へ確認することをおすすめします。
お墓・メモリアルの種類
自宅の庭に設置できるペットメモリアルにはさまざまな種類があります。
墓石タイプ
御影石や大理石でできた本格的な墓石です。花立・水受け・香炉などが付いたものもあります。費用は2〜20万円程度と幅広く、名前・生没年・メッセージを彫刻できます。耐久性が高く、長年にわたって愛犬を偲ぶことができます。
プレートタイプ
板状の大理石・御影石・ステンレスにペットの名前やシルエットを彫ったタイプです。費用は3,000〜3万円程度とリーズナブルで、デザインのバリエーションも豊富です。地面に置いたり、壁に取り付けたりして使います。
樹木葬(記念樹)
遺骨や遺体の近くに木を植えるスタイルです。桜・オリーブ・ローズマリーなど愛犬が好きだった植物を選ぶ方も多いです。費用は木の購入費のみで数千〜数万円と安価。自然に還るという概念が人気を集めています。
ガーデンメモリアルオブジェ
犬の置物や天使像など、庭のデコレーションとして自然に溶け込む形のメモリアルです。お墓らしさを出さずに、インテリアの一部として供養したい方に向いています。費用は1,000〜5万円程度。
| タイプ | 費用目安 | 耐久性 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 墓石タイプ | 2〜20万円 | 半永久的 | 本格的・彫刻可能 |
| プレートタイプ | 3,000〜3万円 | 10〜30年 | リーズナブル・デザイン豊富 |
| 記念樹(樹木葬) | 数千〜数万円 | 木の寿命次第 | 自然に還る・庭が美しくなる |
| ガーデンオブジェ | 1,000〜5万円 | 素材による | お墓らしくない・移動可能 |
費用の目安
自宅の庭にお墓を作る際の総費用の目安は以下のとおりです。
- シンプルなプレート+埋葬のみ:5,000〜30,000円
- 墓石設置(御影石・彫刻付き):50,000〜200,000円
- 記念樹+プレート:10,000〜50,000円
- 本格的なガーデンメモリアルスペース(石畳・囲い):100,000〜500,000円
火葬を行ってから庭に納骨する場合は、別途火葬費用(5,000〜50,000円程度)がかかります。火葬することで衛生面のリスクが大幅に低下するため、特に都市部では火葬後の埋葬が推奨されています。
庭にお墓を作る手順
自宅の庭に愛犬のお墓を作る手順をご紹介します。
- 自治体への確認:埋葬前に市区町村の環境課へ確認し、地域の規定を把握する
- 火葬の検討:衛生面を考慮し、火葬業者に依頼してから遺骨を埋葬する方法が安心
- 場所を決める:日当たりや雨水の排水を考慮した場所を選ぶ。地下水脈・排水管・建物基礎から離れた場所が安全
- 穴を掘る:遺体を直接埋葬する場合は深さ1m以上が目安。遺骨の場合は50cm程度
- 石灰を使用する:遺体を直接埋葬する場合は、消石灰を周囲に撒くことで分解を促進し、臭いや害獣対策になる
- 土を戻す:しっかりと土を埋め戻し、表面を踏み固める
- 墓標を設置する:墓石・プレート・記念樹などを設置して完成
衛生面と環境への配慮
自宅埋葬では衛生面への配慮が非常に重要です。適切な処理を行わないと、地下水汚染や悪臭・害獣の問題が起きることがあります。
- 火葬してから埋葬:最も衛生的な方法。骨は土に還りやすく、害獣も寄り付きにくい
- 直接埋葬の場合:消石灰を使用し、深さ1m以上に埋葬する。気温が高い時期は特に注意
- 地下水・河川からの距離:地下水脈や近隣の河川・水路から十分な距離を取る
- 他のペットへの配慮:庭で他の犬を飼っている場合、埋葬場所を掘り起こすことがないよう石やレンガで覆う
引越しリスクと将来への備え
自宅の庭に埋葬する際に多くの方が見落としがちなのが、将来の引越しリスクです。
- 転勤・引越しの可能性:売却や引越しの際にお墓を持っていくことはできない。遺骨を取り出して移転納骨することも難しい場合がある
- 次の住人への配慮:土地を売却する場合、新しい所有者への告知義務はないが、後々トラブルになることも
- 庭のリフォーム:ドッグランの拡張など庭の工事をする際に、埋葬場所を避ける必要が生じる
将来のリスクを減らす方法
- 火葬後に骨壺で保管:庭への埋葬ではなく、室内で骨壺に入れて供養することで、引越しにも対応できる
- 霊園の個別墓:将来の引越しを考えると、ペット霊園の個別墓に預ける方が長期的には安心
- プレートのみ設置:埋葬せず、お気に入りの場所にプレートやオブジェを置いて供養する方法も選択肢のひとつ
庭以外の供養方法
引越しリスクや衛生面が心配な場合は、庭以外の供養方法も検討しましょう。
- ペット霊園・納骨堂:専門のペット霊園に納骨。費用は年間管理費込みで10〜30万円程度
- 手元供養:骨壺を自宅に置いたり、遺骨をミニチュア骨壺やアクセサリーに封入して常に近くに置く
- 散骨:法的に問題のない場所(許可を得た海・山など)に遺骨を撒く方法。業者に依頼する場合は5〜10万円程度
- 樹木葬(霊園型):ペット専用の樹木葬霊園に納骨。自然に還るため環境への負担が少ない
実際の事例
事例1:東京都 Kさん(シーズー 享年14歳)
ペット火葬業者に依頼して個別火葬を行った後、庭の桜の木の根元に遺骨を埋葬。大理石プレートに名前と「ありがとう」の文字を彫刻して設置。費用は火葬3万円+プレート1.5万円。「毎年桜が咲くたびに思い出せる場所になりました」とのこと。
事例2:神奈川県 Tさん(柴犬 享年16歳)
庭のドッグランの隅に小さなガーデンメモリアルスペースを設置。御影石の墓石(彫刻付き)と小さな石畳のエリアを造成。費用は約15万円(墓石8万円+石畳造成7万円)。「ドッグランで遊んでいた場所のそばに眠れて、きっと喜んでいると思います」とのこと。
事例3:埼玉県 Mさん(ラブラドール 享年11歳)
引越しを考慮して庭への埋葬はせず、骨壺を室内に安置。庭には愛犬の写真を彫刻したステンレスプレートを設置してメモリアルコーナーに。費用はプレートのみで約2万円。「いつでも外で手を合わせられるし、万が一引越ししても持ち出しやすい形にしてよかったです」とのこと。
よくある質問(FAQ)
Q. 庭に埋葬した後、ドッグランを作ることはできますか? A. 可能ですが、埋葬場所を避けたレイアウトが必要です。事前に埋葬位置を記録しておくことをおすすめします。また、火葬後の遺骨であれば、掘り返すリスクを最小限にできます。
Q. 現在飼っている犬が埋葬場所を掘り起こしませんか? A. 犬の嗅覚は鋭いため、埋葬場所を嗅ぎつけて掘ることがあります。表面を石・タイル・レンガで覆うか、フェンスで囲うなどの対策が必要です。火葬後の遺骨の方がリスクは低くなります。
Q. 自治体に届け出は必要ですか? A. 現状、ペットの自宅庭への埋葬について届け出を義務付ける法律はありません。ただし、自治体によって独自のガイドラインがある場合があるため、事前に環境課へ確認することを強くおすすめします。
Q. マンションのベランダや専用庭への埋葬は可能ですか? A. マンションのベランダや専用庭は共有部分に該当することが多く、管理規約で禁止されているケースがほとんどです。管理組合に必ず確認してください。
まとめ
愛犬のお墓を自宅の庭に作ることは、私有地であれば法律上問題ありません。ただし、衛生面・将来のリスク・自治体のガイドラインに注意が必要です。
- 法律上は私有地への埋葬はOK:ただし賃貸・共有地は要確認
- 火葬後の埋葬が最も安心:衛生面・害獣対策・他ペットへの配慮ができる
- 引越しリスクも考慮して:将来の転居可能性がある場合は手元供養や霊園利用も検討
- メモリアルの種類は豊富:墓石・プレート・記念樹・オブジェなど予算と好みで選べる
- 費用は5,000〜数十万円:シンプルなプレートから本格的なガーデンメモリアルまで
愛犬が遊んでいたドッグランや庭に、永遠に寄り添えるメモリアルスペースについてのご相談も、ドッグランホームズでお受けしています。お気軽にご連絡ください。
代表 清水明夫
黒柴の「そらお」と雑種「まめこ」のパパ。元市議会議員。議員時代に、犬猫殺処分ゼロに向けた市民活動に携わったご縁で、保護犬「そらお」に出会い一緒に暮らし始める。外でしかトイレが出来ないそらおの特性から、自宅にドッグランをつくる。その際、ドッグラン専門施工業者の見つけずらさを痛感し、ドッグランホームズを開業。日々、自宅にドッグランを作りたい人の相談に乗る傍ら、全国にいる愛犬家外構プランナーとのネットワークを構築している。
記事公開日:2026年2月20日
最終更新日:2026年2月20日
この記事は、ドッグラン施工の専門家の監修のもと、最新の情報をもとに作成しています。
