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犬の庭に水飲み場は必要?設置するメリット
「庭で遊ぶ愛犬に、いつでも新鮮な水を飲ませてあげたい」——そんなお悩みをお持ちではないですか?犬の庭に水飲み場を設置することは、愛犬の健康管理において非常に重要なポイントです。
犬は体温調節の大部分をパンティング(口を開けてハァハァする呼吸)に頼っています。特に庭のドッグランで自由に走り回ると体温が急上昇し、こまめな水分補給が命を守るカギになります。環境省のデータによると、犬の熱中症は5月〜9月に集中しており、自宅の庭で発症するケースも少なくありません。
庭に水飲み場を設置するメリットは大きく3つあります。
- 熱中症・脱水症状の予防:遊びの合間にすぐ水分補給ができるため、体温上昇を抑えられます。体重1kgあたり1日50ml前後の水分が必要とされており、運動時はさらに多くの水分が必要です。
- 飼い主の手間を大幅削減:バケツやペットボトルで水を運ぶ手間がなくなり、立水栓があれば蛇口をひねるだけで新鮮な水を用意できます。
- 足洗い場との兼用が可能:ガーデンパン付きの立水栓を設置すれば、散歩帰りの足洗いや夏の水遊びにも活用でき、一石二鳥です。
この記事では、犬の庭の水飲み場について、種類・素材・設置方法・費用・衛生管理まで、専門家監修のもと徹底解説します。これから庭にドッグランを作る方も、既存の庭に水飲み場を追加したい方も、ぜひ参考にしてください。
水飲み場の種類と特徴を徹底比較
犬の庭の水飲み場には、大きく分けて4つのタイプがあります。それぞれの特徴を理解して、ご自宅の庭に最適なものを選びましょう。
立水栓+ガーデンパンタイプ
もっともおすすめなのが、立水栓とガーデンパン(受け皿)を組み合わせたタイプです。蛇口をひねればいつでも新鮮な水が出るため、衛生面で圧倒的に優れています。ガーデンパンがあれば水が地面に流れ出すのを防ぎ、小型犬ならそのままシャンプーもできます。デザイン性の高い製品も多く、庭の景観を損ないません。
向いている方:本格的なドッグランを設置する方、長期的に使いたい方
自動給水器タイプ
ペットボトルを取り付けるだけで一定量の水を自動で供給してくれるタイプです。電源不要のものが多く、設置も簡単。ただし容量に限りがあるため、大型犬や複数頭飼いの場合はこまめな補充が必要です。
向いている方:手軽に設置したい方、室内外を行き来する犬の飼い主
ステンレスボウル・陶器ボウルタイプ
安定感のあるステンレスや陶器のボウルを庭に置くシンプルなタイプです。初期費用が安く、洗いやすいのがメリット。ただし水が傷みやすいため、夏場は1日2〜3回の水交換が必要です。倒れにくい重量のあるものを選びましょう。
向いている方:費用を抑えたい方、まずは試してみたい方
簡易設置タイプ(100均・DIY)
100円ショップのプラスチックボウルやバケツを使った最も手軽な方法です。コストはほぼゼロですが、軽くて倒れやすい、プラスチックアレルギーの犬には不向き、見た目が簡素といったデメリットがあります。一時的な使用や予備として活用するのがよいでしょう。
| 種類 | 初期費用 | 衛生面 | 設置難易度 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|
| 立水栓+ガーデンパン | 3〜15万円 | ◎ | プロ推奨 | ★★★★★ |
| 自動給水器 | 2,000〜8,000円 | ○ | 簡単 | ★★★★☆ |
| ステンレス・陶器ボウル | 1,000〜5,000円 | ○ | 簡単 | ★★★☆☆ |
| 簡易タイプ(100均) | 100〜500円 | △ | 簡単 | ★★☆☆☆ |
おすすめ素材の選び方|ステンレス・陶器・プラスチック
水飲み場の容器やボウルの素材選びは、愛犬の健康に直結します。素材ごとの特徴を押さえて、最適なものを選びましょう。
ステンレス製|衛生面で最も優秀
ステンレス製は雑菌が繁殖しにくく、洗浄も簡単で、多くの獣医師が推奨する素材です。耐久性が高く、屋外使用でもサビにくいのが特徴。ただし夏の直射日光で熱くなることがあるため、日陰への設置が望ましいです。価格帯は1,000〜3,000円程度です。
陶器製|安定感と清潔さを両立
陶器製は重量があるため倒れにくく、見た目もおしゃれです。表面が滑らかで洗いやすく、水の温度が上がりにくいのもメリット。デメリットは落とすと割れることと、やや重いため持ち運びに不向きな点です。価格帯は1,500〜5,000円程度です。
プラスチック製|手軽だが注意が必要
最も安価で手に入りやすい素材ですが、注意点があります。表面に傷がつきやすく、傷に雑菌が入り込みやすいのが最大のデメリットです。また、まれにプラスチックアレルギー(接触性皮膚炎)を起こす犬もいます。使用する場合は定期的な買い替えをおすすめします。
立水栓・ガーデンパンの素材
本格的な水飲み場として立水栓を設置する場合、本体の素材も重要です。ステンレス製は耐久性が高くモダンな印象、レンガ調は庭の雰囲気に馴染みやすい、陶器製はデザイン性に優れています。ガーデンパンはFRP(繊維強化プラスチック)製や石材製が主流で、サイズは幅30〜50cm程度が犬用には使いやすいでしょう。
水飲み場の設置方法|プロ施工 vs DIY
結論から言えば、立水栓の新設はプロに依頼、ボウル型の設置はDIYで十分です。それぞれの方法を具体的に解説します。
プロに依頼する場合の流れ
立水栓やガーデンパンの設置には水道工事が必要なため、外構工事業者または水道工事業者への依頼が基本です。
- 現地調査:既存の水道管の位置を確認し、最適な設置場所を提案してもらう
- 製品選定:立水栓・ガーデンパンのデザインやサイズを決定
- 配管工事:既存の水道管から分岐して新しい配管を敷設(通常1〜2日)
- 設置・仕上げ:立水栓の固定、ガーデンパンの設置、排水管の接続
既存の水道管が近くにある場合は工事が簡単で、費用も抑えられます。事前に水道管の位置を業者に伝えておくとスムーズです。
DIYで設置する方法
ボウルや自動給水器を使う場合は、DIYで十分対応できます。
- ボウル設置:安定した平らな場所にボウルスタンドを置き、ボウルをセットするだけ。転倒防止のため、重量のあるスタンドやペグで固定するとよいでしょう。
- 自動給水器:地面が平らな場所に設置し、ペットボトルをセット。日陰の場所を選ぶのがポイントです。
足洗い場と兼用する方法
立水栓+ガーデンパンを設置する場合、足洗い場と水飲み場を兼用するのが効率的です。ガーデンパンの深さは10〜15cm程度あると、小型犬の足洗いにちょうどよいサイズになります。水飲み用のボウルをガーデンパンの横に置けば、ドッグバス・シャンプー室としても活用できます。
設置費用の目安|素材別・施工方法別に解説
犬の庭の水飲み場にかかる費用は、方法によって大きく異なります。予算に合わせて最適な選択肢を見つけましょう。
立水栓+ガーデンパンの費用
プロに依頼する場合の費用相場は以下のとおりです。
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 立水栓本体 | 1万〜5万円 |
| ガーデンパン | 5,000〜3万円 |
| 配管工事費 | 2万〜8万円 |
| 排水工事費 | 1万〜3万円 |
| 合計 | 3万〜15万円 |
既存の立水栓がある場合は、ガーデンパンの追加だけで済むため1万〜5万円程度に抑えられます。もともと水道管が引かれていれば、一式6万円程度で設置できるケースもあります。
自動給水器・ボウルの費用
- 自動給水器:2,000〜8,000円(電動ポンプ式は5,000〜15,000円)
- ステンレスボウル:1,000〜3,000円
- 陶器ボウル:1,500〜5,000円
- ボウルスタンド:2,000〜5,000円
DIYで設置する場合のコスト
ボウルとスタンドの組み合わせなら3,000〜8,000円程度。100均アイテムを活用すれば500円以下でも簡易的な水飲み場を作れます。ただし耐久性や衛生面を考えると、最低でもステンレスボウル(1,000円〜)への投資をおすすめします。
費用を抑えたい方は、自宅ドッグランの費用・予算の記事も参考にしてください。
設置場所の選び方と動線設計のコツ
水飲み場の設置場所は、愛犬の利用頻度と衛生面に大きく影響します。以下の3つのポイントを押さえましょう。
日陰に設置するのが基本
直射日光が当たる場所に水を置くと、夏場は数時間で水温が上昇し、雑菌が急速に繁殖します。日陰または半日陰の場所を選び、どうしても日向になる場合はタープや日除けの設置を検討しましょう。
ドッグランとの位置関係
庭にドッグランを設置している場合、水飲み場はドッグランの入口付近または休憩スペースの近くが理想的です。犬が走り回った後、自然と水飲み場に立ち寄れる動線を意識してください。フェンスの内側に設置すれば、リードなしでもすぐに水を飲めます。
犬の目線に入る場所を選ぶ
犬は視覚的に水飲み場を認識して「水を飲もう」と行動します。庭の隅に隠すように置くよりも、犬がよく通る場所や休憩する場所の近くに設置するのがコツです。飼い主がよくいる場所(テラスやウッドデッキの近く)もおすすめです。
排水対策と水はけの工夫
水飲み場周辺の排水対策を怠ると、水たまりや泥はねの原因になり、衛生面でも問題が生じます。
ガーデンパンの排水管接続
立水栓+ガーデンパンを設置する場合は、排水管を既存の排水枡に接続するのが基本です。排水管の勾配は1/50〜1/100(1mあたり1〜2cm下がる)が目安。プロに依頼すれば適切な勾配で施工してもらえます。
砂利・透水シートの活用
ボウルタイプの水飲み場の場合、周囲に砂利を敷くと水はけが改善します。砂利の下に透水シート(防草シート)を敷けば、雑草防止と排水の両方に効果的です。砂利は直径2〜3cmの川砂利が犬の足にやさしくおすすめです。
水たまりを作らない工夫
犬が水を飲むときにこぼす水や、ガーデンパンからの跳ね水で地面がぬかるむことがあります。水飲み場の周囲30〜50cmをレンガやタイルで舗装すると、泥はねを防ぎつつ掃除もしやすくなります。
衛生管理・メンテナンス方法
清潔な水を維持することが、水飲み場で最も重要なポイントです。不衛生な水は寄生虫や雑菌の温床となり、愛犬の命を脅かす可能性があります。
水の交換頻度
- 春・秋:1日1〜2回の交換が目安
- 夏:1日2〜3回の交換が必須。気温30℃を超える日は数時間で雑菌が急増
- 冬:1日1回でOK。ただし凍結に注意
立水栓タイプなら蛇口をひねるだけで新鮮な水に交換でき、手間が大幅に減ります。
容器の洗浄・消毒方法
ボウルやガーデンパンは、毎日スポンジで水洗いするのが基本です。週に1回は食器用洗剤で洗い、月に1回はペット用除菌スプレーや薄めた酢(水10:酢1)で消毒すると効果的です。ヌメリが出たら雑菌が繁殖しているサインなので、すぐに洗浄しましょう。
季節ごとの注意点
- 夏:水を溜めたままにするのはNG。蚊の発生源となり、レプトスピラ症などの感染リスクも上がります。使わないときは水を抜きましょう。
- 冬:寒冷地では水道管の凍結対策が必要です。水抜き栓付きの立水栓を選ぶか、保温テープを巻くことで対策できます。ボウルの水も凍るため、ぬるま湯を用意してあげましょう。
- 梅雨:雨水が混入しやすいため、屋根やカバーがあると衛生的です。
施工実例で見る!犬の庭の水飲み場
ドッグランホームズがお手伝いした施工実例をご紹介します。
実例1:千葉県・柴犬(13kg)|予算8万円・6畳のドッグラン
既存の庭にドッグランを新設する際、立水栓+ガーデンパンも同時に設置。人工芝のドッグランの入口横に水飲み場を配置し、散歩帰りの足洗いにも活用されています。「蛇口をひねるだけで済むので、毎日の水交換がまったく苦にならなくなりました」とオーナー様に喜んでいただきました。
実例2:埼玉県・トイプードル2頭(4kg・5kg)|予算3万円・4畳
既存の立水栓にガーデンパンを追加し、横にステンレスボウルスタンドを設置。費用を抑えながらも機能的な水飲み場を実現しました。「小さいガーデンパンでシャンプーもできるので助かっています」とのお声をいただいています。
実例3:神奈川県・ゴールデンレトリバー(30kg)|予算15万円・15畳
大型犬対応の広いドッグランに、立水栓2箇所+大型ガーデンパンを設置。排水管も本格的に敷設し、大量の水を使っても水はけが良い設計にしました。大型犬は水の消費量が多いため、2箇所の水飲み場が大活躍しているそうです。
よくある質問(FAQ)
Q. 犬に与える1日の水の量はどのくらいですか? A. 一般的に体重1kgあたり50ml前後が目安です。体重5kgの犬なら約250ml、体重20kgの犬なら約1Lが目安になります。ただし運動量が多い日や夏場はさらに多くの水分が必要です。
Q. 水道水をそのまま飲ませて大丈夫ですか? A. はい、日本の水道水は犬にも安全です。浄水器を通す必要はありませんが、汲み置きの水は雑菌が繁殖しやすいため新鮮な水道水が最適です。
Q. ミネラルウォーターを飲ませてもいいですか? A. 軟水であれば問題ありませんが、硬水はミネラル(カルシウム・マグネシウム)が多く、尿路結石のリスクがあるため避けたほうが安全です。
Q. 立水栓の設置に何日かかりますか? A. 既存の水道管が近くにある場合は1日で完了することがほとんどです。新たに配管を引く場合は2〜3日かかることもあります。
Q. 冬に水道管が凍結しませんか? A. 寒冷地では凍結の可能性があります。水抜き栓付きの立水栓を選ぶか、凍結防止ヒーター付きのタイプを選ぶことで対策できます。東京以南では通常問題になりません。
Q. 犬がプラスチックのボウルを噛んでしまいます。 A. ステンレス製または陶器製への変更をおすすめします。噛み癖がある犬には、地面に固定できるタイプのボウルスタンドが効果的です。
まとめ|犬の庭の水飲み場で愛犬の健康を守ろう
犬の庭に水飲み場を設置することは、愛犬の熱中症予防と健康管理に不可欠です。この記事のポイントをおさらいしましょう。
- おすすめは立水栓+ガーデンパン:衛生的で足洗いにも兼用でき、費用は3〜15万円
- 素材はステンレスか陶器が安心:雑菌が繁殖しにくく、洗いやすい
- 設置場所は日陰が基本:ドッグランの入口や休憩スペース近くが理想的
- 衛生管理が最重要:夏は1日2〜3回の水交換、容器は毎日洗浄
- 排水対策も忘れずに:砂利やレンガで水はけを確保
愛犬が安全に水分補給できる環境は、飼い主にとっても安心です。庭にドッグランを作る際は、ぜひ水飲み場の設置も一緒に検討してみてください。庭の植栽選びと合わせて計画すると、愛犬にとって快適な庭が完成します。
ドッグランホームズでは、水飲み場を含む庭のドッグラン設計を無料でご相談いただけます。お気軽にお問い合わせください。
代表 清水明夫
黒柴の「そらお」と雑種「まめこ」のパパ。元市議会議員。議員時代に、犬猫殺処分ゼロに向けた市民活動に携わったご縁で、保護犬「そらお」に出会い一緒に暮らし始める。外でしかトイレが出来ないそらおの特性から、自宅にドッグランをつくる。その際、ドッグラン専門施工業者の見つけずらさを痛感し、ドッグランホームズを開業。日々、自宅にドッグランを作りたい人の相談に乗る傍ら、全国にいる愛犬家外構プランナーとのネットワークを構築している。
記事公開日:2026年2月20日
最終更新日:2026年2月20日
この記事は、ドッグラン施工の専門家の監修のもと、最新の情報をもとに作成しています。
