目次
はじめに
― わんこと庭で暮らす、という前提から考える ―
わんこと一緒に暮らす家を建てると決めたとき、「庭で自由に走らせてあげたい」と思う方は多いはず。
毎日の散歩はもちろん大切。でも、雨の日や忙しい日はどうしても十分に時間が取れない。なにより、エネルギーが余っている日のわんこを見ていると、胸が痛む。
そんな中で浮かぶのが、「新築のタイミングで、庭にドッグランを作れたら」という発想です。
ただ同時に、こんな不安も出てきます。
- カーポートと、どう配置すればいいのか
- フェンスで区切ったら、使いづらくならないか
- そもそもドッグラン付きの庭をどこの業者に頼んで良いかわからない
これは私が庭にドッグランを施工する際に実際に感じた不安です。
よくある失敗ストーリー
― 新築だからこそ起きるズレ ―
新築外構の打ち合わせでは、まずカーポートの位置が決まることが多いです。
そのあとで、「この空いているスペースをドッグランにしましょう」とフェンスで囲って完成。
図面上では、特に問題はなさそうでした。完成時も、「新築だし、きれいにまとまった」と感じます。
でも、暮らし始めて気づきます。
朝の出勤時、車を出すたびにわんこを室内に戻す必要がある。戻すと、今度は「出たい」と落ち着かない。
雨の日は、車の水跳ねや泥が庭側に飛び、足も体もすぐ汚れる。
そして何より、わんこは、人の生活に合わせてなどくれません。
- 忙しい時間ほど走りたい
- 外の音が気になる
- フェンス沿いを何度も行き来する
結果、「せっかく作ったのに、使うのがおっくうな庭」になってしまう。
これは、新築外構でも実際によくある話です。
なぜこの失敗は起きやすいのか
原因は、フェンスの種類でも、広さでもありません。
「新築の図面段階で、暮らしの流れまで想像できていなかった」それだけです。
新築の図面は、まだ暮らしていない状態を前提に描かれます。
でも実際の暮らしは、朝も夜も、平日も休日も、天候も含めて動き続けます。
わんこたちは、
- 行動パターンがはっきりしている
- 環境の違和感に敏感
- 同じ動線を何度も使う
だからこそ、新築時の配置のズレは、そのまま使いづらさに直結します。
新築外構で、最初に考えるべきは「素材」ではない
新築外構の打ち合わせで、多くの人が早い段階で悩み始めます。
- 芝にするか、人工芝か
- フェンスはどのデザインがいいか
- どのくらいの広さが必要か
正直に言うと、これらは後でいいです。
新築外構で先に考えるべきなのは、これだけ。
- わんこを「いつ」「どこから」庭に出すか
- 車を出し入れする時間帯
- 人が玄関や庭をどう通るか
この生活動線を整理しないまま外構を決めると、完成度は高くても、使われない庭になります。
新築だからこそ、カーポートとドッグランは分けて考える
新築外構では、カーポートと庭を一体で考えがちです。
ですが、わんこと車を同じ空間に置くことには、現実的なリスクがあります。
- 音や動きに反応して落ち着かない
- フェンス越しに走り回る
- 車の出し入れ時にヒヤッとする
さらに、タイヤの汚れや水跳ねは、想像以上に庭に影響します。
だから基本は新築でもカーポートとドッグランは物理的に分ける前提。
これは見た目の話ではなく、安全と使いやすさの話です。
新築外構の配置は「2パターン」で十分
新築外構でドッグランを考えるなら、配置は大きく2つに分けて考えれば十分です。
左右に分ける配置
- 敷地に横幅がある
- 車とわんこの動線を明確に分けたい
安全性は高いですが、外構全体のボリュームは大きくなりがちです。
前後に分ける配置
- 敷地に奥行きがある
- 道路側にカーポート、建物側に庭
動線はシンプルですが、出入口の位置や距離感は慎重な設計が必要です。
どちらが正解かではなく、どちらがその家族の暮らしに合うかで決めます。
新築でも「現地判断」は必ず必要
新築外構でも、図面やパースだけでは判断できないことがあります。
- 微妙な高低差
- 水はけ
- 建物との距離感
- わんこの性格(警戒心・吠えやすさ・運動量)
ここを無理に図面だけで決めると、「なんとなく」で配置が固まってしまいます。
新築外構で本当に大切なのは、工事を急ぐことではありません。
暮らしと配置の考え方を、先に整理すること。
それだけで、新築ドッグランの失敗は大きく減ります。
施工会社選びで失敗しないための視点
―「ドッグランを作りたい」と伝える前に、ここを見てほしい―
新築外構で庭にドッグランを作ろうとするとき、多くの人が最初にやるのが、「新築なんですが、ドッグランを作りたいです。できますか?」と聞くことです。
新築外構でドッグランづくりに後悔するかどうかは、この質問に対する施工会社の“返し”で、ほぼ決まります。
ここでは、新築外構を検討している段階だからこそチェックしておきたい視点を整理します。
視点①「ドッグラン単体」で話を進めようとしないか
要注意なのは、打ち合わせの最初から次の話に入る施工会社です。
- フェンスの種類
- 芝か人工芝か
- 広さは何㎡か
これらは大事ですが、順番が違います。
本来、先に確認すべきなのは、
- 建物・玄関・駐車場の配置
- 車・人・わんこの動線がどう交差するか
- わんこを「いつ・どこから」庭に出す想定か
この話を飛ばして素材の話を始める会社は、新築後の暮らしを具体的に想像できていません。
視点②「新築だから自由」と思い込んでいないか
新築外構は、何でも自由に決められると思われがちです。
でも実際には、最初から制約があります。
- 建物の配置と高さ
- 玄関・勝手口の位置
- 給排水やメーターの場所
- 法規・隣地との距離
良い施工会社は、「新築だから何でもできます」とは言いません。
代わりに、
- ここは最初から決めた方がいい
- ここは将来変更できる
- ここは無理に作らない方がいい
と、新築だからこそ必要な取捨選択をしてくれます。
この“減らす判断”ができるかどうかで、新築外構の完成度は大きく変わります。
視点③ わんこの行動を前提に説明してくれるか
新築外構では、「まだ暮らしていない」状態で計画を進めます。
だからこそ重要なのが、わんこの行動を先回りして説明できるかです。
わんこは、
- 知らない音や気配に反応する
- フェンス沿いを走る
- 同じ動線を何度も使う
- 特定の場所を掘る
この話をしたときに、
- 「犬種によりますね」で終わる
- 「住んでみないと分からないですね」と流す
こうした返答だけなら注意が必要です。
逆に、
- フェンスの位置
- 出入口の向き
- 隣地との距離感
をわんこの行動ベースで説明してくれる施工会社は、新築×ドッグランの経験値があります。
視点④「新築時に決めないと変えられない部分」を先に教えてくれるか
新築外構で本当に重要なのは、
- フェンスの位置
- カーポートとの距離
- 犬と車の動線
これらは、あとから変えるのが難しい部分です。
信頼できる施工会社ほど、「ここは後から直せません」「ここは今、決めておいた方がいいです」と、少し言いにくいことも先に伝えてくれます。
逆に、「とりあえず作って、ダメなら考えましょう」というスタンスは、新築外構では特に危険です。
視点⑤ 新築なのに、その場で決めさせようとしないか
新築外構×ドッグランは、一度で完璧な正解を出すのが難しい計画です。
良い施工会社は、
- 一度整理する
- 一度持ち帰る
- 家族で暮らしを想像する時間を取る
このプロセスを前提にしています。
「今決めないと間に合いません」だけを強調する場合は要注意。即決を迫らないことも、信頼できる判断基準のひとつです。
まとめ
新築外構でドッグランを作る場合、大切なのは「きれいに作ること」ではありません。
- 新築後の暮らしを想像できているか
- わんこの行動を前提に考えているか
- 後から変えられない部分を、先に整理しているか
ここです。
だからこそ、新築の段階で、配置と考え方だけ一度整理する。この一手が、後悔しない外構につながります。
黒柴の「そらお」と雑種「まめこ」のパパ。元市議会議員。議員時代に、犬猫殺処分ゼロに向けた市民活動に携わったご縁で、保護犬「そらお」に出会い一緒に暮らし始める。外でしかトイレが出来ないそらおの特性から、自宅にドッグランをつくる。その際、ドッグラン専門施工業者の見つけずらさを痛感し、ドッグランホームズを開業。日々、自宅にドッグランを作りたい人の相談に乗る傍ら、全国にいる愛犬家外構プランナーとのネットワークを構築している。